熱があるとわかって
やっと病人らしくしおらしくなった私

リビングでグッタリした感じになっていた
するとふーさん、娘に言った
「おーい、お母さんに冷えピタ持ってきてあげて~」
(おぅおぅ自分じゃないのですか?)

娘が奥から「えーっ」と気のなさそうな返事をしながら
すぐに持ってくる
それを受け取ったふーさん、
「ほら、冷えピタ、貼りなさいよ」
(だから、それ、自分で持ってきてないでしょ…)

「え~っ、だって私、今まで一度も貼ったことないもの!いいよ、いいよ~。
けど、あ~ちゃんがせっかく持ってきてくれたから貼りましょう…」と言いながら受け取った

娘は「あー、おかあさん、いつも貼る側だったもんね」とボソリと呟く

(ハルガワ…貼るガワ…貼る側…あぁ…)

貼った直後にふーさんが「どう?」と聞く
「どう?って言われたって、今貼ったばかりでわかりませんよ。」
「そう」

そんなことより、私の頭の中では「いつも貼る側」がこだましていた
「いつも貼る側」…

そうよ、今まで何枚の冷えピタを貼ってきたんだろう
もちろんそれだけじゃない
枕元へ洗面器を運びタオルを絞ったことも
氷のうがズレ落ちないように見守ったことも

冷えピタって…
ふーさんのおでこに二枚も貼っちゃって
「そこはおでこじゃない!」と言われたこともあったっけ。
だってその時代は子供用しかなかったし…
(うっかりミス)

何気なく使っているものにいろんな思い出があるなんて
最近そんなこと感じることもなくなっていたと気付く

そんなこと考えていたら
ジンワリピリピリと冷えピタくんが効いてきた

「な~るほど!効いてきたよ、これ。」
うん、20分ほどかけてピリピリッとしてきた
少し気が紛れた

タイミング良くお薬を飲んであとは爆睡
そうなのね、うん、うん
わかった

冷えピタくんに「ありがとう」と言いたくなった夜のこと