「もしかして逆光のせいでもあるだろうけど、

お母さんの両目の下らへんに影ができてんだけど・・・」


私の正面に座った彼は気の毒そうな顔をして言った。

息子だ。


「電気スタンドを取りに来た」と、またしてもフラッと帰ってきた。

本当の理由は定かではないが、とにかく、

私の目の前にいる息子は、私の目の下のカゲに興味を持ったようだ。


はーん?そういうのを通称 ”クマ”というのだよ!

わざわざ遠回しに言ったな・・・


はーん?

そうよ、連休もへったくれもない、連勤している娘のペースに巻き込まれた主婦の勲章よぉ!

と、開き直って見せる。


娘がその場に居合わせたら、「それは濡れ衣だ!かーさん、違うだろ・・・」と反論しただろうな。


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今朝のこと。

最近の連続勤務で顔色思わしくない娘が洗面所で歯磨きをしている最中、洗面台の掃除を始めた私。すると、台所から私を呼ぶやかんの音が・・・!


ピーピーピー!


「あらん、おかーさんて、人気者!やかんに呼ばれてるわン」と思い上がる私。


さらに、

「I 'm coming ! I 'm coming !」

「シンデレ~ラ~!!!シンデレェ~ラァ~!!!」


一人二役で芝居する私に、娘の視線は鋭かった。(笑)

「朝から何だよ、そのテンション・・・」と、思ったに違いない。


しかしね、思えば主婦というのは家の中での人気者。

えぇ、見方を変えるとね。^^


朝一で目覚まし時計に『ピッピピピピッ』とコールされ、

オーブントースターには『チーン!』とあしらわれ、

冷蔵庫からは扉が開いたままだと注意され、

コンロに火を点ければ『カチカチ』と音を立て、

点けっぱなしにすると『ピピッ』と叱ってくれ、

炊飯ジャーは『ABCの歌』を奏でてくれる。

洗濯機は音が止めば分かるのにだめ押しするかのように『ピピピ』と囀る。

食洗機終了の合図もご丁寧に。


私に気を遣ってくれる若者たちよ。

しかし、大御所は違う。

新婚当初からの付き合いが今も続いている旧友・オーブンレンジだけは私を呼ばない。私を呼ぶことが面倒臭くなったらしい。

どっしりと構えている。

私の自由と自主性を重んじてくれている。

素晴らしい友だ。


しかし、人はそれを”故障”と言う。


お互いに「しっかりしようぜっ!」と励まし合う。

思いやりにはいろんな形がある。