りっちゃんと、八百屋さんへ行った。


地元の農家の新鮮な野菜があちこち並んでいた。


中でも、一際目を引いたのが、つやつやと輝いたカボチャだった。


ほとんど黒光りに近いほどの立派な輝きだった。


りっちゃんはたくさんの野菜の中から、一番最初に一目惚れしたカボチャをカゴの中に入れた。


カートがないお店なのに、最初に人の頭ほどあるおおきなカボチャを、だ。


「最初にそんな大きな重いカボチャ入れて大丈夫?」と私が心配すると、りっちゃんは考え直して棚に戻しに行った。


「他の人に取られないように、先の方に置いてきたよ」と言いながら、今度は大根を選んでいた。これも重いと思ったが、今度は様子を見ることにした。


買い物の終盤、りっちゃんはカボチャを取りに行った。


なんだか、様子がおかしい。


「あのカボチャ、一番、格好が良かったから誰かに持って行かれたみたい・・・」

「あのカボチャは360度、どこから見ても形が良かったから、すぐに他の人にも見つけられてしまったんだわ」

「30個もあったのに、よりによってあのカボチャを・・・」


相当ショックだったのか、しばらく元気がなかったりっちゃん。


申し訳ないことをしてしまった。


私が余計なことを言わなければ、りっちゃんはあのカボチャとめでたくゴールインだったはずなのに。


りっちゃんは、今晩ちゃんと眠れているだろうか。


それにしてもあのカボチャ、りっちゃんちの鏡に映すと、さらにスタイル良く映ったのだろうか。


そちらも気になった。