やっと冬もののリネンや衣類の整理をし始めた。
それでも季節を完全に信用しているわけではないから、
クローゼットだけ見ると、
今が何月なのかさっぱりわからない。
コートも半袖も長袖も厚手も薄手も、
今がシーズンという顔をしてずらりと並んでいる。
そういえば衣替えという習慣も
制服を着なくなってみると、
ある意味躾のようなものだったのかと思う。
躾というと正しいものみたいだけど、
冬に半袖を着ていけない理由はなんだったのか、
を考えると、それはやっぱり
風紀を乱さないようにする規律のひとつと思えてしまう。
学校の衣替えは、その後の人生に意外と影響を与えている。
なんとなく片付けなければ、と
まだ寒い春の日に(或いはまだ暑い秋の日に)
季節に急かされるよう衣替えをして、
体調を崩すのもそのひとつだ。
私服通学の中学高校を卒業した家族を見ると、
ファッションに於いてかなり自由人である。
1年を通し気に入りのTシャツとパンツがベースで、
それに何か羽織るか重ねるか脱ぐか短くするか、
靴や帽子もうまく取り入れて、まるで難しいこととは無縁である。
ファッションだけでなく、性格も、と言いたいところだけれど、
どこか生真面目なところを残している。
なぜなら彼は小学生の時制服だったのだ。
6歳からの6年間の衣替えは大変だった。
1週間の猶予があったものの、
どんなに暑くても寒くても替えなくてはいけなかったし、
あの頃の人間の縦への伸び率は半端ない。
彼もそうだけど、わたしが大変だった。
今思うと躾られたのは
わたしの方だったのかもしれない。
いい加減やめればいいのに
やめられない衣替えのお話し。
さ。
もう寒くならないでね、春。
豆大福より普通の大福が好き
