送別会などで賑わう金山駅。
送別会は、グループのなかにひとり若しくはふたりほど、
花束を抱えていたりするからわかりやすい。
学生たちのグループもたくさんいたけど、
こちらはどんな会なのだろう。
それでも4月以降の新歓コンパとはどことなく違う。
別れの気配を感じるのは、お会計が終わってもお店の前で
いつまでも居続けるような人たちが多いからだろう。
ほんとうにありがとうね〜
頑張ろうね〜
と、跡切れ跡切れに聞こえくる言葉には、
まるで今生のお別れくらいの去り難い気持ちが
込められている。
急に温かくなると、雨が決まってやってくる。
それは、たんぽぽの綿毛をふうっと吹けば、
それぞれがそれぞれの場所に根を張るような確かさへ降りそそぐ。
雨が降り出したのをきっかけに、
どの輪も少しずつ小さくなって店頭が静かになると、
また違うグループが勘定を済ませて出てきた。
おっ雨だ。
雨宿りを兼ねてもう一杯どう?
賛成。
そうして種子たちは場所を変え
綿毛のままどこかへ行ってしまった。
去り難い気持ちを、もうすこしだけ共有するのかもしれない。
またね、なんて気の遠くなる確かさなのだし。
地鶏とはいえ、これでは…という串たち。
