ほどほどにお酒を嗜むほうである。
お肉もお魚も旨いけれど、魚のほうが酒に合う、
と思っているふしがある。
父が仕事の関係で殆ど北海道に居たので、
ひょっとしたら、スルメを舐めながら育ったということも
関係しているのかもしれない。
ビーフジャーキーとビールも魅力的だけれど、
エイヒレと熱燗には敵わない。
あなたも好きだけどやっぱりこのひとという、亭主みたいな立ち位置なのだ。
敵わない、とはややニュアンスは違うけれど。
魚には妙な謙虚さがある。
内心、『どうだ旨いだろう』と思っているくせに、
どこか すん としているような。
その点お肉はいけない。
おれはこんなにすごいんだぜ、というニュアンスを
お皿に残ったひとかけにすら残すような、
強引なところがある。
あなたについていけないのはそういうところですよ、と言ったとて、
当の本人にはなかなかわかっていただけない。
そういうところも、肉所以なのだが。
漁港の食堂。お酒はありません。仕事中なので悪しからず。
