あっという間に過ぎる日々。

東へ西へと現場に出かけ、事務所という名の自室では

数字や原稿のチェックに勤しみ、

なにもしていない時間がどこにもない。

こんなふうにして作歌から遠のいてゆくのか。

持続は力という、手垢のついた言葉があるが

仕事のようなわけにはいかないものです。

 

人生がかかっていないという決定的な違いが、

そこにはある。

短歌や俳句を作らないと生きていけないという、

思い詰めた、というか、ある意味攻めた心情にある人たちに、

最初から勝てっこないのだ。

とはいえ、誰かと勝負しようというつもりで始めた詩歌作ではない。

感情をちいさな箱に入れ、記憶しておくような気持ちで

始めたはずではなかったか。

これを迷走と呼ぶのだろうか。

 

1日の終わり、ささやかな酒と食事のあと

湯に浸かってベッドに潜り込む。

そこには歌や句ではなく

浅い祈りがベールのように満ちる。

迷走はいつまで続くのだろう。

 

 

楽屋弁当。塩分過多目。