シニアとは実に曖昧な括りかたである。

それゆえに、

特に施設や飲食店等、割引設定が表示されているケースに於いて

判断する側の捉え方がよくわかる。

50歳でシニア、と言いきる場面に遭遇すると

いくら、割引しまっせ〜と言われても

心底喜べないせつない気分になる。

映画館では55歳から、見た目が男女なら

夫婦割という不思議なシニアシステムが存在する。

この恩恵で、何度ゲイの知人と映画を観たことか。

彼は、夫婦割といえども同居している恋人とは

使えないこの割引制度を面白がって

いつも「(日本は)バカだからしょうがない」

と、わたしの隣で、より亭主づらをするのだった。

 

先日、H寿司へ行くと

シニアカードがあればグループ内6名までひとり50円引きというので

80の母を店員に差し向けて「カードを作ります」と申し出た。

H寿司のシニアとは65歳以上だったのだ。

すると店員さんは、小綺麗でもの忘れのある老女を見ながら

「保険証ではなく顔写真付きの証明書がないと作れない」と

遠慮がちに言う。

最終的に

どこをどう見たら65以下なんだ?えええ?

というわたしたちの大反論と、

母の保険証に記載されている生年月日を確認して

シニアカードを発行してくださった。

がしかし、80の母はどこか有頂天である。

わたしってそんなに若くみえるかしらん、と。

いやいや、お母さん、そういうことではないんですよ。

申し訳ないですが。

 

シニア問題。

性別年齢学歴などで仕切りをつけてゆくことは

絶対に許されない国もあるのに、我が国はなんというか、

ほんとうにバカだからしょうがない。

割引はありがたいのだが。←これがダメな国民的思考である

 

詩作は後日。

忙しい週末突入。