ハロウィンに中部日本歌集が届いた。
猫の耳を頭につけた、性別不明の美しく若い(もはや若いかどうかもわからない)
ひとたちや、血だらけメイクでハンバーガーを頬張るグループ等を見ていると、
サラリーマンや作業服や制服を着ているひとたちでさえ、
コスプレしているように見えてくるから不思議なものだ。
どことなく異次元にいるような、地に足がつかないふわふわとすぎた1日の終わりに、
歌集がハロウィンの贈りものだなんて、出来過ぎではないか。
総勢200余の歌人の連作が、葡萄の実のようにずらりと並ぶ。
どこから手をつけていいのかわからない戸惑いも、
贅沢な悩みとおもう。
名の50音順に歌人が並んでいるというもいい。
例えば、島田修三さんより前にわたしが居るということは、
どこのなにを巡ってもここでしかあり得ない。
そういうきまりであるにしても、
短歌の神さまみたいな存在に、ゆるされている気がするのだ。
ゆるされてすこしたのしくなって空を見上げているうち、
いつしか伸びているというように、歌人として成長していこう。
編纂者のみなさまありがとうございました。
尻尾から外してをはるハロウィンの武器として手を消えるまで振る
漕戸もり
コスプレをしているときがいちばん素直になれるかもしれない。
スーツであれ制服であれ白衣であれ作業服であれ。
大人ってほんとうに面倒。
