ずいぶん長く不規則な仕事をしているので、

いつのまにか朝昼晩きちんきちんと食事を摂ることが苦手になってしまった。

特に、仕事前に水分以外を口にすると、

固形物が声と一緒に出てきてしまいそうな感覚になる。

夜に宴会やステージ系の仕事があると、楽屋弁当が出る場合は別として、

さすがに朝から何も食べないのはまずいので、

豆乳をこまめに飲んだりして、カロリーみたいなものを体に蓄えておくようにはしている。

カロリーといえば、全身カロリーでしかない携帯菓子もあるけれど、

食べるたびに歯を磨き口紅を引き直すくらいなら、飢えたほうがいい。

 

となると、

食事らしい食事をするのは、ほとんど仕事明けとなる。

夜に終われば深夜。明け方になることもある。

それでも絶対食べる。

食べないで寝るということは、なくはないが年に数回のこと。

寝る前⚪︎時間前は食べたらだめ?、そんなこと気にしない気にしない。

食べものが胃を溢れ喉までパンパンになってやっと

「風呂入って寝よ」という気持ちになるのだった。

 

朝昼晩、ちゃんと召し上がる人と一緒に暮らせないとお思いでしょう。

ところが我が家人は、どんなことがあっても3食食べないと機嫌が悪くなるような偏屈者である。

あ。

一般常識に則った人に偏屈とは言い過ぎか。

それでも3度3度食べるなんて、なんだか不思議なことにおもえる。

 

「さっき食べたのにまた食べるの?」

 

また口から出そうになって慌てて閉じ込めた。

 

まあ、お互い自由にいきましょう。

 

 

オカリナに奪はれし耳あなまどひ    漕戸もり