昨日につづきすごい言葉を拾ってきた。

 

君は、短歌以外は才能あるねえ!

 

全体的に笑いをふくんでいる。

なんなんだこの陰湿な感じ。

まず。

君は、と呼びかけているところがいけない。

ふたりに上下関係があるかわからないが、だとしても何目線なのだろうとツッコミたくなる。

更に、句読点で一旦溜めてあるので発言者の強気っぷりが、

「これからめんどくさいことを言いそう」感を醸し出す。

そして、やっぱり面倒なことを言い放ち、最後に「知らんけど」というような無責任さがエクスクラメーションのニュアンスで伝わってくる。

もし発言者がこの言葉をSNSで読んだとしても「ひどいことを言う者がいるもんだ」と、

まるで他人事で、怒ったりしてそうで怖い。

そういうことすら想像できる「声」なのだった。

 

褒めているつもりなのかもしれない。

言われたひとはマルチタレントの歌人さんである。

褒めているという線が有力だともおもう。

 

だけど。

 

短歌はわたくしのほうが上ですけれどねオッ〜ホッホッホッ〜(性別不明)

 

というような(イメージ)自己顕示欲がダダ漏れで、

言われたひともそうだけど、近くにいたひともきっと引いただろうことは想像に易しい。

 

君は、

に似ている言葉に

 

ぼかぁ

 

というのがある。

加山雄三という、歌手か俳優かわからない芸能人の有名な歌のなかの台詞の部分だ。

ぼかぁととぼけて聴こえるが、正確には 僕は というそうだ。

 

「幸せだなァ 僕は君といる時が一番幸せなんだ

僕は死ぬまで君を離さないぞ、いいだろ」

〜作詞 岩谷時子 「君といつまでも」より引用

 

僕は、短歌以外はだめでねえ!

 

せめてこういうふうに振り切ってくれたら、好き嫌いはさておきなんとなく憎めない。

更にもっと言えば、ぼかぁと言いながら照れてくれたら、憎めないうえに愛されてしまう可能性だってあった。

そうだったらよかったというわけではないけれど、そうでもよかったのにとおもいます。

 

お土産シリーズ。洋酒が飲みたくなる挿絵。

 

 

甘味噌を指に掬ひて食む子規忌   漕戸もり

 

 

正岡子規。

亡くなってなお、わたしみたいな馬鹿があなたを知っているということを

なんだか申し訳ない気持ちでいます。

ごめんなさい。