真夏でもホットコーヒーを注文するようになって久しいけれど、コンパルのアイスコーヒーは別。
緊張感のある打ち合わせのときでも、あのアイスコーヒーをそれぞれが支度するまでの時間が、どこか緊張を取り除く役目を果たす。それに、はじめて会ったひとの性質みたいなものが、あの一連の作業を盗みみていると、すべてとはいわないまでも、なんとなくわかるのも楽しい。
もちろんわたしもそんなふうにみられていると思えば、アイスコーヒーを注文しないほうが望ましいのだけど、まあこれも穏やかに話を進めるきっかけになれば良い。
 
コンパル式やりかたでアイスコーヒーを作ってみた。
用意した氷を満たしたマグカップへ、濃く煮出したごく少量の熱いコーヒー液を一気に注ぎ、動物性脂肪のクリームを贅沢に流しこむ。
※お店でもこれをわたしたちがやるのです
 
出来は70点。
 
実は、コンパルのアイスコーヒーは透明な氷が決め手だった。
なんなら、コーヒーで濡れそぼる氷だけ注文したいくらい旨い。
氷を侮るなだな。
本質なんて、透明にこそ宿るものじゃないか。
忘れるな。
 
 
本質はすぐにとける
 
 
 

会へるうち会ひたい人の氷水  漕戸もり

 

 

自分のより相手の氷水が気になって困る。

とけるのがこんなに早いだなんて。

心は伝えようとしなくても伝わってしまう。

つくづく困ります。