世界中のすべての映画を観たわけではないけど、相変わらずフィンランドのアキ・カウリスマキ監督の映画がダントツで好きだ。
労働者三部作なんて、何度観ても飽きない。
ストーリーはあってないような展開なので、アメリカ映画がお好きな方には退屈極まりないかもしれないが、適当に撮っているのかと思うようなカメラワークも、めんどくさそうに演じているかに見える役者たちも、なんとも柔らかいカステラのような印象のフィンランド語のイントネーションも、押し付けがましくないのが心地いい。
監督の本意ではないかもしれないけど、よそごとを考えながら、ぼうっと眺めていられるような映画は、美術品だと勝手に思っています。
先日も、なかなか眠れないので、よし映画でも観てやろうとAmazonプライムを開くと(これ不眠症の方はやってはだめなやつ。朝まで寝られないので気をつけましょう)、洪水のようにたくさんの映画があふれきた。まだ観ていない素晴らしい作品に出会える期待に胸を躍らせながら、年代やジャンルを辿ってみたのだが、結局選んだのはアキ・カウリスマキ監督の作品だった。
ちなみにアキ作品と最後まで悩んだのは小津安二郎監督作品。
小津作品の敗因は、
長い。
アキ作品も決して短くはないけれど(汗)
そもそも、隙間時間に映画を一本観ようという魂胆が間違いなんです。
フィンランドといえば、サンタクロース、オーロラ、ムーミンくらいしか知らないけど、その次にアキ・カウリスマキ監督を挙げても遜色ない。
不眠症、益々酷くなるばかりである。
追記
アキ作品といえば女優カティ・オウティネン。
彼女は、劇団所属時代お世話になった先輩の静(しずか)ちゃんに似ている。
似ているを通り越しカティそのものである。
わたしは当然、映画のなかのカティを通して静ちゃんを観ている。
そういうことも含めてのアキ・カウリスマキ作品なのだ。
寝不足の身体火照りて夕螢 漕戸もり
不眠症。
実際に体温を測ると低いのだが、どことなく熱をふくんでいるような体。
そのうえ、熱を放出している気がするので、まわりの人に迷惑をかけていないか心配である。
ただでさえ暑苦しい夏。
あなたから離れているのは、このせいなのです。