浴びるように水を飲んでいる。
300mlほどの小柄でデザインもシンプルなペットボトルがどこへ行くのにも一緒。
名古屋の水は安全でおいしいから、外出先で空になったらお水をすこしわけていただく。
冷房の効いている内側から灼熱の外側への行き来は、思った以上に体力を消耗する。
それが一番わかるのが朝だ。
26度設定の除湿で寝ているのだけど、起床して冷房のない微風だけのリビングに過ごしていても、
体の芯はしばらく冷えたままである。
これがなかなか辛い。
額に汗が滲んで、家事やら出かける支度をして動いているうちにやっと溶けだす、まるで氷のような強固な芯。
そういえば、冷やすのも温めるのもどちらも奪う行為だ。
「奪う」には強引な印象がふくまれる。
そりゃあ体力も消耗します。
まだ夏ははじまったばかり。
お水、飲みましょう。
椅子奪ふ首紐付の夏帽子 漕戸もり
夏のフードコートは混んでいる。
子どもとお母さんたちのグループ、試験中か明けの学生たち。
活気があって悪くない。
お昼時、一瞬ひと気は各店舗の入口に集まるから、テーブル席はもの置き場となる。
ハンカチや帽子や先程見てきた映画のチラシなどが、席を確保してあるしるし。
どうしてもそこへ座りたいと願っても、ハンカチや帽子の方が優勢だから諦めるしかない。
それにしても。
一度でもひとの手に渡ったハンカチや帽子は最強。
魂みたいなものがやどるのか。
そう考えるとなんだかおそがい(名古屋弁)。
