猛暑を乗り切るために出かけた焼肉店。
飲み食い語りに加え、珍しく卵かけご飯まで完食。
ご飯がいちばんうまかった。
この時点でもう夏に負けている。
思えば、夏とわたしは子供の頃から相思相愛だった。
勝負なんかしたことはなく、毎年夏の訪れを待ちわびていた。
夏のほうもやさしくにぎやかで、なにかと思い出をつくってくれた。
夏もわたしも変わったのだ。
肉がダメなら次は素麺でもいい。
歯が染みるほど甘い水菓子でも。
負けるわけにはいかないのです。
大将の声がオペラ歌手並み
サングラス越しの半裸に慣れて海 漕戸もり
最後に海水浴をしたのはいつだったか。
いつのまにか、海は触れるものから眺める存在になった。
そうすると、夏の海辺に集まるひとたちの、肌の露出が気になってくる。
もちろん日焼けのことも心配だが、温泉宿で見かける昔のお嬢さんではなく(失礼)、
今どきのお嬢さんの体の美しいこと!
ぽろっとどこかがこぼれても、少しくらいいいですよと涼しい顔をしている。
弾けるというのは、まさにこういう人生の季節をいうのだろう。
