仕事のパソコンもプリンターもヨレヨレで、少しでも河村さんに助けて頂こうと応募した名古屋市プレミアム商品券。

家族も方々で助けていただきたいことばかりで応募したけれど、当選したのはわたくしひとり。

やはり世間というのは冷たいものだ。

それを知っていないといけない。

家族だけです。

あなたを憂うのは。

 

結婚とか親になるとか、そういう一見意味のある事柄に見せて非常に面倒くさい案件は、この一点だけで成就する。

家族(という雰囲気)に。

 

 

足りないプレミアム

 

 

さよならに溢れてしまふ踊り場に息吐くひとの息を借りゆく

漕戸もり

 

桜通線という、いかにもやわらかい地下鉄沿線を装いながら、実は階段ばかりの深い深い沿線。

地下に潜るのも地上にあがるのも、鬼のように厳しい道のり。

高齢者が立ち止まる所々で、わたしは彼らの息を貰い、激しい階段を涼しい顔で駆け上がる。

もうこんな、戦争が起こる前日のような日々はいやだ、といって始まったようなエレベーター設置工事。

3年後。

遅い。