いつかの晩酌セット。
美容の話や高齢の家族の話。
虹が出た、と言った口から、肥溜めに落ちそう、という話が飛び出す人生のゆうげ。
恋愛の話も出ないわけではない(中には婚姻を解消して自由気ままな美魔女もいる)が、出たとしても、年下男に欲しいものはなんでもプレゼントするから教えて欲しい、と言われ「お米」と言ったら、暫くして米一升が届いたというような、ハーレクインロマンスからは相当遠い生活臭の溢れる話題ばかりで、ある程度生きてしまうと、当事者でありながらどこか人ごとのようにおもしろがって、そののち急にテンションが下がるような話ばかりなのだった。
そういえば。
わたしの仕事仲間の一人が、中華料理店歌人と中学の同級生だということが判明した。
これで中華料理店歌人の同窓生に繋がるのは二人目である。
このときは、次どこ行く?ってなったのでわたしが「この辺に世にも珍しい文壇町中華があるんだけど、残念ながら今日は定休日だし…」と言うと、「えええ!それはH園でしょう!同級生」と乗り出してきたので驚いた。
おおむね名古屋駅西口周辺で飲むとき、自転車で来る人は怪しい。
その半分は、中華料理店歌人の関係者だと思っておいたほうがいい。
1,500円の晩酌セット。鯛のあら煮と生ビール。
差し掛けた日傘に合はせ他人事 漕戸もり
雨傘と違い日傘は差し掛けるのには短小である。
うっかり差し掛けてしまって、当人のくせに「わたしは知りません」という雰囲気を出してしまうのはどうしたことだろう。
単純に差し掛けなければいいだけなのだが、雨傘の場合、急な雨に傘を持っていない友人へ「この傘あげるわ」と言って自分の傘をあげたくなるような性質なので、なかなかうまくいかない。
あの傘をあげたくなる感じってなんだろう。
自分でもいまだによくわからない。