お見舞いに行った。
ここは、病を得て入院したり、産んだり、産めなかったり、父が亡くなったり、友人が何人も勤めていたり、教えていたりする。
かといってあまり特別な場所という認識はなく、人生にイオンが登場するような感覚でときどき登場してくる風景のひとつ。
と、
強がってそう言いたいだけだったりして。
病院なんてできれば関わりのないほうがいいに決まっているし。
 
そこで見かけた『病院ラジオ』のポスター。
必ず観ているわけではないけれど、再放送や移動中などに何度もお目にかかって、そのたびにしみじみしている番組だ。
サンドイッチマンふたりだけで特設ラジオブースの機材を載せたバンに乗り、全国津々浦々の病院を巡り、館内放送が終わるとまたふたりで機材を片付けて帰ってくるという想定で、その様子がとてもいい。
※映っていないところに大勢のスタッフがいるのは知っているけど、知らないふりできるくらいの分別はあります
 
特にいいのが帰路の様子。
その日の感想というか吹きこぼれた感情というか…を、運転席の伊達さんと助手席の富澤さんがぽそぽそ言い合いながら車を走らせているだけなのに、とてもやさしく温かい。
このシーンを観れただけでもよかったと感じる場面でもある。
告知のポスターに放送予定は5月下旬と記されているので、もう収録は終わったのかもしれない。
再放送でもいいから観れるといいなぁ。
 
生きていると寄り添いますなどとつい言ってしまう場面があるけれど、寄り添わせていただいたことでわけてもらっていることの多さを思う。
サンドイッチマンのおかしみみたいなものと生真面目さ。
たくさんの心が救われている。
 
 
街のような病院

 

 

道塞ぐタクシー退いて夏来る   漕戸もり