急かされてなってゆくような初夏。
なんでもそうだけど、背中を押してくれる「何者」かがいる方がいい。
ビリーにとってはあじフライらしい。
いいなあ、実にいい。
冷えたビールの瓶を小さなコップに注ぎながら、サクサクぐびぐびさくさくグビグビ。
くだらない話を、気のおけない友人たちとわちゃわちゃしながらでもいいし、ひとり静かに、ぼんやりと道ゆく車や人を眺めながらでもいい、明日のことなど考えず、とにかくひたすら食べて飲んで口のまわりを油とアルコールで光らせていると、いつのまにか晩春が初夏に変わっている。
…だといいなぁ。
現実には定番のハンバーグとサラダバー(ご飯無し)
際限なく食べられる飲めるあの日々を、今さらながらもっと大切にしておけばよかった。
晩春が長く感じられるのは、肉体の衰えと関係している。
ちくしょう。
今度は朝から何も食べずに、初夏を根こそぎ奪いにいきます。
亀鳴くやいんちきと云ふこゑ低し 漕戸もり