歌人の辻さんが編集発行されたネットプリント「コメダ短歌」。
Xで募った歌人数十人の短歌がならぶ。
愛知県民の枠を超え、今や日本人の生活のどこかしこにもあるコメダ珈琲。
度々打ち合わせやちょっとした会合にも使うコメダ珈琲だが、その理由の最たるものは、なんといってもわかりやすさと安心感だろう。
あの信号の少し行ったところ〜や、コンビニの向かい側〜や、ロイヤルホストの前〜や、和菓子屋の斜向かい〜(すべて実在)、などと言えば、土地勘のない相手でも簡単に見つけられる統一された外観。店内はウッド調で、豪華というわけではないが、今や喫茶店のお手本のような内装を頑なに守り、適度なクッションの椅子と絶妙な(プライベートが守られているという意味ではないがその逆でもない。まさに絶妙)隣席との距離感が常に保たれている。携帯電話がなくても新聞が置いてあるので、手持ち無沙汰であれば自由に読むことができるというのも、特にコロナ禍以降あまり他では見かけない優れたサービスだ。
カフェというより、喫茶店の王道をゆくような「垢抜けなさ」も戦略のひとつだろう。
星乃珈琲店のようにスイーツを充実させてしまうと、客はどことなくそわそわしてしまうのを、コメダ珈琲はわきまえている。だから、シロノワールが騒ぐほど美味ではないのも、わたしたちは安心して受け入れているのだ。
モーニングについてくるゆで卵が、普通サイズの方が安価で仕入れられるのでは、と勘ぐりたくなるほど小さいのも、喫茶店の頑固な姿勢がみえて楽しい。
 
ブーツ型のグラスは、先端の洗い残しが気になって一度も飲めないまま

 
コメダ珈琲は、好きか嫌いという問題では判断できる存在ではなく、遠いか近いかわからないが、無視はできない親戚のおじさんなのだと思う。
 
 

ブレンドのたつぷりサイズ飲み干しておしまいにする桃のわたしを

漕戸 もり

 

桃のわたし。

可愛いだけの女じゃない。

強くあれ。