楽器をいつも持ち歩いているようなものだ。
喉のことである。
声が商売道具と言えば、すかしているように聞こえるかもしれないけれど、まあこれが使いものにならなければ即開店休業になるのだから、そう言わざる得ない。
同業者と会えば、流行になる前のキャンディや漢方、運動めいたものや怪しげなグッツまで、喉ケアのための情報交換は必須である。
大学を卒業し、順調にいけば執行役員くらいになっているだろうキャリアを積んでいるけれど(いや大学時代からやっていた戦隊もののショーや歌のお姉さんのアルバイトを含めると、阿呆みたいに気の遠くなる道のりだ)、喉に飴玉や薬、時に発声練習ですら徒労だということに辿り着いた。
 
声を無駄に出さない。
そして、喫煙者に近づかない。
※煙草を吸うのは論外
 
これですよ。
 
近親者に喫煙者がいない環境に、うまいこと生まれついたのは幸運だったけれど、マスコミ及びアナウンス業界は結構な比率で喫煙者がいる。
ベシャリの仕事なのにヘビースモーカーも多い。これは、よほど喉が頑丈にできているのか、ストレスにまみれているのかのどちらかに該当するのだろう。
お互いいい大人なので、煙草やめなよ、などと余計なお節介は焼かない。
けれど、喉を長く使いたいならくどいようだけど…
 
声を無駄に出さない。
そして、喫煙者に近づかない。
 
 
です。
※喉より腹筋を鍛えよと、歌い手の友人も常日頃言っている
 
 
午後9時からは喫煙可の町中華

 
午後9時には退散。
午前3時まで営業しているので、たまには行きますけれどもね。
神さまではないので。
 
でもなあ。
男女とも、好きになるひと好きになるひと、喫煙者だった若き日。
というか今でもその傾向は変わらず。
なんだ?
なにを試されているんだ?
 

行儀よく並ぶ結露を拭ふ朝ふゆにはふゆの言い訳めいて

漕戸 もり