先日行った病院で漢方薬を処方された。
診察を終えると、今度は別の部屋で、看護師さんから薬の説明をしていただく。
分厚い漢方薬の本には、難しい言葉が並んでいて、漢詩の講義を受けているようだった。
どうやらわたしは下焦の湿熱らしい。
ツムラの漢方薬といえば、もっぱら68番のヘビーユーザーである。
月に何度も必要というわけではないけれど、これがベッドの傍にないと落ち着かない。
たとえ夜中にぎょえっとなっても、服用すればたちまち症状は緩和するので、漢方薬はやさしく効くというイメージを覆すきっかけとなった。
今回新たに加わった、ツムラの76番竜胆瀉肝湯。
看護師さんは、これを湯に溶かしたものを差し出して「飲めそうですか」とわたしに尋ねた。
個性的なお茶だと思って飲めば問題ない。それに湯に溶かした漢方薬は、旨い。
なんていうか…隅々に染みわたるという感じ。
飲めます。
けれど家に帰れば、わざわざ湯に溶くなんて、なかなかどうしてやれないものだ。
そのまま粉を喉にふり入れて、水で一気に流しこむ。
に、にがい。
にがい分効いている気もするから、まあ、ものぐさも良しとしましょう。
ところで。
68番が何に効くのかはさておき、芍薬の名前が付いている。
芍薬といえば夏の季語。ちなみに今回処方された76番の竜胆(漢方ではリュウタンと読む)は秋の季語。
漢方を学ぶとやたら季語を思い出す。
たこ焼きを焼くおばさんのゆびサック見てゐるだけでと思ひかけたり
漕戸 もり

