いつも行っているネイルサロンの姉御(コワモテネイリスト)が「うちの(お前と違って賢い)お客様は、年末年始の予約を先に取って、そこから逆算し1年のネイル施術のスケジュールを決める」と言う通り、日々の予定が立てにくいわたしは、ネイル難民となってしまった。姉御は、なんとかします、というタイプではなく、秋頃から「ざまあみろ」と言わんばかりに薄ら笑う。
こんなに大切にされないのに、なぜ通っているのかといえば、息の詰まるようなマンションの一室(ネイルサロン専門店に多い)ではなく路面店であるということ、そのわりに高額ではないこと、お世辞をいう相手(上客)を知っている…ということは歯の浮くような、心にもないことは言わないから、めんどくさくない等々…一応理由はあるからだ。
11月。いつものように施術を終えると姉御は、さあどこにでも行って来な、どうせ恋しくて戻って来るんだから、というように蔓延の笑みで、わたしは見送られた。
そういうわけで今回、マンションの一室であるということに目をつぶり、家から徒歩5分のサロンを予約してみた。
 
仕上がりました

 
あなたの要望はトウシューズ型で叶う(指のつづきに爪があるようなイメージという、わたしのリクエスト)、最近は長いのは流行らない(のに長いいのがいいのね。古いね)などと、ぶつぶつ言われることもなく、角をまるくしてやや長めにした爪に、姉御がマグネットに白色は製造上あり得ない、とわたしを論破した白っぽいマグネットネイルを発見、早速試した。
 
新しいネイリストさんは可もなく不可もなく。
ただ、ご近所なので飲食店情報を交換させていただいたり…、会話は終始なごやか。
お値段はやや高めだけど、近いということでwin-win。
 
選ぶというのは難しい。
男を選ぶくらいほんとうに難しく、年の瀬に頭を抱えるのだった。
 
ポインセチア金粉がはを壁に置く   漕戸 もり
 
クリスマスが終わった途端、過去に生きるポインセチア。
貴方を見捨てない。