空き時間に携帯の写真を整理していると、時々さっぱり記憶のないものを発見する。
いつどこで誰とどうした、のどれもわからない場合、どうしたらいいんだろう。
さっさと削除してなかったことにするか、それとも脳トレを兼ねて記憶を手繰り寄せるか。
見覚えのないものが、風景や食べものならまだしも、人だったりすることも少なくない。
ただし、そういう時は単なる陽気な酔っ払いだった(はず)なので、間違いさえ起こしていなければ問題はなさそうだ。
わたしの携帯電話カメラに写っている、見覚えのない人たちは(ひとりではない(汗))、たいてい笑顔で(膨れっ面をしていても、ふざけているだけ)、わたしやこれまた知らない人同士で、肩を組んだり何やら楽しそうにしているのをしみじみ眺めていると、それが誰かだなんて、どうでもよく思えてくるから不思議である。
 
よくわからないラーメンの写真(例)

 
ああ!
思い出した。
移転を理由に、年末突然閉店した町中華のラーメンだ。
 
ラーメンでよかった。
こういうことが「人」で起こると、始末が悪い。
肩を組んで笑うその後手で、抓りあったり、また逆に絡ませあったりしたことも思い出してしまえば、苦い敷石が、いつまでもいつまでも喉元に続くのである。
 
 

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漕戸 もり