すこし広めの個室トイレは、男女ひとつずつ、もしくは男女兼用のところが多いので、待つこともあるけれど大抵のものは備わっているので、出先でみつけるとそこそこ嬉しい。

便座にすわるとガラス越しに目の前が中庭になっていて、鹿威しを眺めながら用を足すという壮大なトイレもあれば、駅にあるオストメイト対応のトイレまで、個室トイレはさまざま。

汚れているのは論外として、広い個室トイレは驚かされることがあったとしても、嫌いになることはないし、あれば便利で助かるひとも多くいるのだから今後も増えて欲しいと願う。

 

先日某所で利用させていただいたのが、便座の目の前に大きな鏡のついた洗面台があるという個室トイレ。

鏡に一部始終をつまびらかにされ、どことなくこころぼそくたよりなく用件を済ませた。

でもこのような、なんだか奇妙にもみえる(便座の前に鏡)という配置の個室トイレには、結構な割合で遭遇する。

あれは単にスペースの問題なのか、ユーザーの要望にこたえた結果なのか。

それにしても、鏡に映しだされるさげるものを下げ座っている姿はなんともぶざまで、つい目をそらし天井の空気鋼に埃が溜まっているのを確認したりして、無様などとはご縁がありませんいうそぶりでトイレから出るのだった。

公然の秘密というか、よくかんがえてみるとべつに秘密でもなんでもなく、だれでもが承知している隠し事は気になりだすときりがない。

 

昔、ある男ともだちが片思いだった女性にふられたときの言いぐさをおもいだした。

 

あいつがウ○コをふんばっている姿を想像してわすれてやる!

 

ともだちはそこにいた仲間たちから大いに気もち悪がられたけれど、案外効き目は最強かもしれない。

表明するのはどうかとおもうけど。

 

 

広々とした個室トイレ。

ペーパーが好みの手ざわりだと好感度があがる。

おぬしできるな。

 
煮卵を流れだしたる黄身の濃く重たいといふわかれのりゆう
           漕戸 もり
 
先ほどの、ふられたともだちがお相手に言われた言葉をついでにおもいだした。
 
重たい。
 
軽ければいいという問題でもないが。