そうするしかなくて過去から未来へ歩いていると
途中、未来が過去のためにあると感じるときがある
 
過去に
 
肩かけやどこまでも野にまぎれずに
泣きしあとわが白息の豊かなる
死ぬ日いつか在りいま牡丹雪降る
         橋本多佳子全句集より
 
と、足跡を残し
 
未来はたとえば…
 
最後の花火に今年もなったな
何年経っても思い出してしまうな
ないかな ないよな
きっとね いないよな
会ったら言えるかな
まぶた閉じて浮かべているよ
   🎵若者のすべて より引用  作詞志村正彦
 
 
と、其処へ集約してゆくような。
 
錯覚なのかどうか。
生き抜いてみないとわからないけれど。
 
 
橋本多佳子全句集。
彼女の後期の作品に心が揺さぶられる。

 

汗ばんだ水のあなたをすきになる火を殺すたびあたたかくなり

                    漕戸 もり