鉄のフライパンを使い始めてそろそろ10年になる。
フライパンはいい感じに育っているので、炒めものが苦にならない。
焼き飯や炒めものはもちろん、湯を沸かしてゆがいたり油を張って揚げものをしたり大活躍中。
 
その昔、当然のようにテフロン加工のフライパンを使っていた。
なんの刷り込みか定かではないけれど、フライパンといえばテフロンだった。
実家には鉄製の大きな中華鍋とテフロンのフライパンとがあったけれど、今考えると殆どの料理は中華鍋によるものだった。
中華鍋は重く、食材をひっくり返すのですら一大事。それでも、こびりつくこともなくうまく調理ができるうえ、お手入れすればするほど状態が良くなるばかりなので重宝していたのだろう。
 
我が家にはあのような大きな中華鍋は必要ないので、テフロンのフライパンがそれらの代わりをしていたのだが、使い方がよくないのか2年ほど経つと加工が剥がれてくる。
そうなるともう焦げるしひっつくしで、寿命がきたと諦めてそのつどフライパンを買い替えていた。
コストはかかるわ、不燃ごみは出るわ、そして何よりも、炒めものをするのが億劫で億劫で仕方がなかった。
 
そういう経緯で、ある日思い切って鉄製のフライパンに替えてみた。
思い切ってって、大袈裟だなぁと思うかもしれないけれど、それくらいテフロン加工の神格化は巷に溢れているし、使い方さえちゃんとしていれば、テフロンのフライパンも一生ものとなるかもしれないと、今だ密かにおもっている。
その証拠に、鉄のフライパンはそんなに売られていないのだった。
ふたつ持つ鉄のフライパンのうち、最初のひとつを求めた当時はイオンにすらなかったから、ニトリやカインズにあるはずがない。※名古屋市某店舗のコロナ禍数年前のこと
何軒か回って、金物屋さんが大きくなったような庶民派チェーン店でやっと購入。
このように我が家にやってきたはじめての鉄のフライパンは、試行錯誤をしながらも使えば使うほどいい顔になっていった。
これに味をしめ、数年前にもうひとつ購入。この時にはイオンでも販売されていた。
とはいえ、テフロンのフライパンがサイズもカタチもメーカーも多種多様なのに対して、鉄のフライパンはメーカー違いの2種類しか売っていなかった。
テフロン信仰、健在である。
※一生おつきあいするつもりなので、付加価値のついた高い方を選ぶ。まあ3,000円か3,980円くらいかの違いですが
 
写真は、
簡単に食べられるものを、という要望にちゃっちゃっと作ったオムライス。
もう一方のフライパンには卵をざっと流し込んで半熟に仕上げてあるから、あとは合体させるだけ。
鉄分も摂取でき尚且つお手入れ簡単。
こびりつき?そんなもの一切ございません。
おっーほっほっほっ。
※お疲れ気味
 
 
鉄鍋のまへは日暮か秋だつたみづの残れば錆ついてをり
              漕戸 もり
 
湯で洗う。
火をかけて水気を飛ばす。
さらにキッチンペーパーで拭う。
薄く油を塗っておしまい。
これを怠るとしれっと錆びます。
お手入れには愛をたくさん。
〜鉄のフライパンと恋人について〜漕戸 もり   より