かねてから、どうにかならないかとおもっているタッチパネルの設置位置問題。
なにがって、高すぎやしませんか。
店内の蛍光灯がパネルに反射するのも相まって、画面がよくみえないというダブルの悲劇だ。
そこでわたしは注文のたびに立ち上がるわけだが、周りのテーブルを見渡してもあまり立っていらっしゃるかたはみかけない。
そこで、立たずに注文画面にタッチしているお客様方を観察してみた。
背を斜めに捻らせ、手をパネルへと最大限に伸ばす。手だけではない。画面が蛍光灯の光に照ってみえない位置へ、顔や目をゆがめて向けるので、なんともいえない形相になっている。この場合は食欲だけど、どんな欲だとしても隠しきれないとき、人はあのような表情にどうしてもなってしまうものなのだろうか。
どうみても螺子が一本ゆるんだ表情である。
そういえば、睡魔に襲われ、眠りの沼にずぼずぼと足をとられてながら、「もうだめ起きてられない」というようなときの顔つきは、どことなくはしたない。睡眠欲ですらそうなのだから、食欲だったら…舌なめずりでもしているような、もっと官能的な表情をしているはずである。
 
こんなふうに、欲望と駆け引きをするような場合、知らず知らずのうちに官能的要素が入ってしまうのは仕方がない。注文パネルを立ち上がってタッチしようと、座ったままタッチしようと、どちらも欲望を伝え過ぎている。けれど、タッチパネルの設置位置を、もうすこしお客目線にしてくだされば、多少は解決する問題だとおもうのだけどどうだろう。そうしてくれれば、むきだしの欲望を<ない>ようなふりをして、お上品に食を熱望できる。これまでもこうして、あらゆる外食をしてきたように。
 
回転寿司のタッチパネルの設置位置、なんだか深い意味が潜んでいそうである。
だって、不気味なほどだれもなにもモノ申さないのだから。
だとしても、パネルの位置。
高すぎるって。
 
 
  炒めても肝の据はつた胡瓜かな       漕戸 もり  
 
 
 
めちゃくちゃおいしい夏野菜カレーを作る。
タイカレー以外のカレーは、ハウスジャワカレー辛口一択。
あなた以外じゃだめなわたくし。