シャトレーゼの、店頭で瓶詰めする蔵出しワインが欠かせない夏がやってきた。
べつにワインを夏の飲みものと決めつけるつもりはないが、この瓶詰ワイン(個人的に赤)に限っては暑い季節によく合う。ワインを家飲みする特権とは、いくら君はなってないなと軽蔑されようと、冷蔵庫できんきんに冷やしたり、ときには氷をいれてがぶがぶ飲めるところにある。
真冬に焼酎を傾け、しみじみと鍋物をつつくのもたまらなくしあわせなひとときではあるが、猛暑の真っただ中にいれば、あれはなにかの間違いだったのだろうと疑わずにはいられない。
とはいえ、春と秋の<なんでもいいよ>感のあるお酒のなんとつまらないことか。
なんでもいいをなんにでも合う、もっと飛躍させて、だれにでも合うだれにでもやさしい、などと変換してみると、それだけ私が離れているとオフコースが歌うのも合点がいく。
だれにでもやさしくするから
それだけ私が離れている
とめどなく押しよせてくる
不安な気持ちはあなたのせい
あなたの代わりに誰かを愛せない
行かないで
作詞小田和正 オフコース「思い出を盗んで」より
小田さんは最後、普遍的なあなたに行かないでと言っていますが、わたしはやっぱり夏には夏のあなたと乾杯します。
みな左側の車窓に乗り出してピンクと叫ぶ桃色の髪
山川藍 歌集「いらっしゃい」より
返歌
右側のきみのよこがほみるための長い試合のやうなゆふだち
漕戸 もり
藍さん、お元気かなぁ。
あなたの柔らかな横顔は、今でもこれからもずっとあのときのまま。
返歌特集まだまだつづけます。