全力がいいことばかりじゃない。
足りなさが、くどくないからすきということもある。
それに、やる気があるのかないのか見極めがつきにくいと、なんだかほっておけないじゃないか。
56%。
勝負している。
来るなら来ていいけれど、完ぺきを求められても困るんでよろしく、と言っているようだ。
蓋のイラストを牛と言ってしまえばそれまでだけど、もしかしてこれは、つのを標準装備しているけど、とりあえず今は機嫌がよさそうなだれかのおかあさんの顔ではないか。
そうおもいながらたべていると、もうこれはすっかりだれかのおかあさんだ。
44%の突き放しっぷりもいっしょに食べてから、すきでもきらいでもリピートすると決めるほどでもなく、それでもまたどこかで見かけたら二番目に買うような気がする味だった。
ちなみに、一番目に買うのはいつもフルパワーで向かってくるハーゲンダッツ。
一番目の弱点は、二番三番に絶対ならないところ。
〈今日は必要ない全力>という日ある。
この場合、要らないと言ったらいらないのだから、二番手にはならない。
そういうとき、100%は56%に叶わないのだった。
縁日ではぐれて熱い手のひらがやはらに森の涼しさになる
漕戸 もり
つないでいた手をほどいたときの涼しさがすきだった。
夏は恋をおわらせやすい。
