テンション爆あがり。
不意のお土産は、くだらない失恋くらいだったら吹き飛ばすほどの威力を持つ。
 
幼いころ、父は仕事の関係で年の半分ほど北海道に滞在していたので、
帰ってくるときは土産が持ち切れず、ほとんど宅配便の別便で届けてくれていた。
今でこそ、だれでもかれでもかんたんに宅配を使っているけれど、当時は
店舗からの発送を除くと、自分で梱包し、どんなに重い荷物であれ、
郵便窓口(ヤマトも佐川も個人の荷物はあまり取り扱いがなかった気がする)
まで持っていく。そのうえ、送料は案外高く、
中元や歳暮などは、新幹線をつかうほどの距離でなければ
わざわざ家にお届けに来てくださったり、
お届けにあがる場合は盛装した母についていったものだ。
 
今日言いたいのはそういうことではなくて。
父はそういうわけで、きちんと家に帰ってこないひとだったから、
サザエさん一家の波平さんやマスオさんのように、
(実際にそんなシーンがあったかは不明だが、不思議とそんな記憶がうっすらある)
仕事帰りに寿司屋で一杯飲んだついでに、折づめのお土産を手にぶらぶらさせて
帰ってくるなんてことは、時々しかなかった。
せいぜい我が家では、父が結婚披露宴に出席して持ち帰ってきた、
冷えた尾頭付きの鯛か、バウムクーヘンくらいがそのようなイメージの土産だった。
だからだろうか、今だに手土産というものに特別な憧れがある。
 
さて、丸明のお肉でございます。
手にぶらぶらさせてというわけではないけれど、
後生大事に保冷バッグに入れたものを家人がいただいてきた。
寿司の折づめのように、もう夕飯は食べて歯も磨いて寝るばっかりだけど、
お構いなしに今すぐむさぼりつく、というものではない。
そのぶん、明日はすき焼きにしようなどと綿密にプランニングできるのもいい。
おとなになるって、こういう<土産余裕>もふくまれるのだとおもう。
 
どこのどなたかわかりませんが厚く御礼申し上げます。
美味しく美味しくいただきました。
また是非よろしくお願いいたします。
 
 
               
        ご自由に気象記念日差し上げる   漕戸 もり
 
 
 
記念日が設定されているくらいなので、お祝いするたぐいの職業の方もいるのでしょう。
遠くより、おめでとうございます。
※6月1日は気象記念日