コロナ禍前足繫く通っていたお店に漸く行けるようになった。
。。。と。
そんな簡単におもってもらっては困る。
この三年間、飲食店は耐えた。耐えて耐えて、それで持ちこたえたお店もある。
ほんとうに立派だとおもう。
肩を抱き合っていっしょに褒め称えたいくらいだ。
けれど、耐えて耐えて耐え忍んだけれど閉じるしかない場合がごまんとあり、
それに直面するたびに、寂しいとか残念という感情を通り越して
言いようのないじぶんの力のなさに腹が立つ。
コロナ禍前の日常にもどることなんてできないということを、
マスクを外したひと(じぶんもふくめて)がどんどん増えていくたびに
痛いくらいかんじるのだ。
あの店長、あのマスター、あの女将さん、あのアルバイトさん。
とにかくどこかでがんばっていてくれることを願う。
先日、コロナ禍前、多いときだと毎週行っていたむさし新栄店跡に
やっとお店が開いていたので行ってみた。
ずっとクローズしていたけれど、春先までむさしの看板が出ていたし、
貼紙には<コロナ禍の影響でスタッフが集まらないから、集まったらオープンします>
のようなことが書いてあったので、いつかな?いつかな?とそのときを待っていた。
そこには、むさしではなく新しい別のお店がオープンしていた。
おなじ焼き鳥屋さんなので、お座敷がないくらいで内装は大きく変わっていないのが
救いなのかもしれないけれど、それが余計にせつなくて、
二軒目だったということで饒舌にもなっていたし、小雨模様でお客様もまばらだった勢いで
店長さんやアルバイトくんと、むさしのことも今のお店のこともいろいろと話す。
話せてよかった。
むさしの皮ほどお手軽な串はないけれど、
また、むさしにいく際には予約しないといただけない絶品牛タン串もないけれど、
レアハツ、レア肝が旨すぎて。
二本ずついただく。
多分あのお値段であの状態のものを出す焼き鳥屋は、名古屋には滅多にない。
どういうわけかそれが嬉しくて嬉しくて。
なんだか、むさし新栄店の置き土産のような気がして泣きそうだった。
酔ってるし、泣くわねそれは。
好きだった人、というかぐや姫の名曲がある。
※YouTubeは転載できないのでみなさまご自身でお調べください。
好きだった人
ブルージーンをはいていた
好きだった人
白いブーツをはいていた
好きだった人
ステテコもはいていた
好きだった人
Tシャツが似合ってた
失恋ということばは 知ってたけれど
失恋ということばは 知ってたけれど
…more
(南こうせつとかぐや姫「好きだった人」伊勢正三作詞より参照)
好きだった人。
そんなむさし新栄店だった。
追記
あたらしいお店は炭火やきとり「鳥ん坊」。
名古屋観光の折にもしよろしければ。
雨の毎路面に馴染む夏館 漕戸 もり
