高速道路のパーキングエリア。
人が集まっていて
ぎゅわ~んぎゅわ~んぎゅわぎゅわ~ん
※中原中也風に
・・・みたいな叫びが聞こえたので近くまで行ってみた。
それは紛れもない恐竜だった。
生の恐竜を見たことがないのに、その声の主が<恐竜>だとわかるのは、
ウルトラマンをはじめ戦隊もののおかげだ。
ありがとうウルトラマン。
ありがとう戦隊ヒーロー。
この恐竜の柵(丁寧な仕事ですな)に、
葉のついた枝(のようなもの)が一本設置されていて、人がそれを振ると恐竜が
ぎゅわ~んぎゅわ~んぎゅわぎゅわ~ん
と叫ぶ仕組みになっている。
子どもはもちろんおとなもフリフリ。
並んでフリフリ。笑顔でフリフリ。
フリフリ
ぎゅわ~ん
フリフリ
ぎゅわ~ん
永遠につづく、でたらめなしりとりみたいだった。
このブログを書いていたら、ヤフーニュースから
<いしだ壱成に新恋人>と流れてきた。
いしだ壱成さんの隣にはいつもそのときの<新恋人>がいる。
要するに、別れても別れてもすぐにどなたかとお付き合いがはじまるという
素晴らしい特性がある。
そのことと恐竜のこととの因果関係は、一切どこにもないはずなのだけど、
フリフリ
ぎゅわ~ん
の一連の作業や感触に、共通しているものがあるような気がしてならない。
でたらめだとしても、つづけるというのはたいせつなことで、
なんならこの調子で突き抜けて欲しいとまでおもう。
わたしも時間があれば、
葉のついた枝を振って恐竜を叫ばせていたにちがいない。
わたしとおなじようにおもっていそうな表情の大人もたくさんいて、
賑わっていた春のパーキングエリア。
ねえねえ。
触れたらあなたはどんな手ざわりなの?
そんなこと、いちいち聞いてはじめていたら、
人生なんてすっかり終わってしまうとおもわないかい。
あたらしい恋人とゆく空港のスタバのいつものはじめての椅子
漕戸 もり