先日信号待ちをしていたら、
目の前をキャラメル色のボルボ240ワゴンが通り過ぎた。
世界でいちばんすきな車だ。
フィルムを貼っていない窓越しに、向こうがわのコンビニの看板がくっきりとみえる。
そのくせボディは薄汚れており、
いかにも240マニアのオーナーが後生大事にして乗っているというような、
うっかりまきちらしてしまういやらしさもない。
見惚れていたら信号はまた赤になってしまった。
まるでぽんこつで、たべてもたべてもすぐ消費する図体のくせに
熱を出しやすいし、癇癪持ちだし、坂道のまえでたじろぐ。
まさに愛すべきでくのぼうである。
変化を遂げた先が今のXCシリーズなのだとしたら、もしかして
あまりいい人生を過ごしてこなかったのかもしれない。
生きざまは顔に出るというのだし。
なにがあったか知らないが、
今ではすっかり悪党の顔つきである。
さて、ガソリン給油をしましたのでちょっとがんばりましょう。
がんばれ、とあまり言ってはいけないというけれど、
わたしはがんばらないと何もできない。
がんばって 起きる。
がんばって 会う。
がんばって 愛する。
ボルボとは<私は廻る>花疲れ 漕戸 もり
