とりあえず冷凍しておきましょう、という食品は多い。
なんなら、まずお目当ての食品が<冷凍できるかどうか>というのをかんがえて、
それをクリアしたものから購入している、と言い換えたくらいがしっくりくる。
ちなみに、今ちょうど冷凍庫で冷やされているものをおもいかえしてみると…
真空パックの鶏むね肉、鶏手羽元、豚ばら肉。アイスクリーム、
きのこ類(各種ジップロック×3)、納豆、保冷剤、酒粕、ミックスベジタブル、
パン類、白飯、讃岐うどん、冷凍食品のパスタや炒飯(家人用)。
ざっとこのようなメインキャストのほか、サッと茹でた菜根類、
袋のままの生もやしにも入っていただくことがある。
予定していた食材が冷蔵庫にあるのに、家族共急に夜の会食がつづくと
なんとなく落ち着かないし、きまぐれに家人から外食しようと言われると、
そりゃあこちらだって楽できるし助かるんだけど、
残念ながら(という言いかたがふさわしいかはわからないが)
今日は食材があるから行けない、とお断りして「融通が利かない」などと、
とんちんかんな苛立ちが向けられるのも、お馴染みの展開である。
 
冷凍できない、もしくはできるかもしれないけれど過去に試してみたら、
解凍後がいただけなかった、というものとして豆腐がある。
豆腐は一丁を数日にわけて使うので、必ず最後のほうは消費期限が過ぎる。
まあでも添加物のおかげ?で蓄積される害はあるのかもしれないけれど、
期限切れだからといってお腹が壊れたことはないので良しとしよう。
幸か不幸かあたらしい生命を産む可能性などないのだし。
問題は、これはぜったい冷凍できない、という食品だ。
牛乳、ヨーグルトなどの飲料、生卵などがこれに当たる。
豆腐とおなじで、消費期限内に完食飲できないと決まっているようなものだから、
とやかく言わない。つまり、赦す、ということです。
冷凍なんかさせない、と確固たる主張をするものに対して容認していたら、
いつのまにひとにもやさしくなれたというもので、そのうち
まるくなった、とか、おめえなんも考えてないんじゃね、とかと
言われるようになった。
こういういい加減さを、冷凍できない食品から学んだと言っても、
決して大袈裟なことではない。
 
とはいえ。
冷凍できるものは食品のレジェンドだ。
祖父母が生きていたら愛を持って揶揄されただろう。
にもかかわらず、脆弱なのをゆるしてね、と正々堂々と宣言してきた。
ほかのなににも贅沢はしないから冷蔵庫だけは良いものを、と
曲げなかったのは、ゆるしてね、と言いかったからだ。
おかげで我が家の冷凍庫はいつも愛に似たものたちで溢れかえっている。
これからもそうでありたいけど、電気代がこうも値上がりつづけていれば
能天気ではいられない。
言い訳じみて申し訳ないけれど、性能のいい冷蔵庫は節電にも優れている。
………。
なんかそう言いながら我ながら空しい。
 
写真は冷凍パンの自販機、冷えぱんマン。
パンというよりみたところドーナツにみえる。
アンパンマンとミスドから影響をうけつつ自分勝手に創作すると
こんなふうにチープになる、というお手本だ。
ふむふむ。
わたしにも影響をうけている作家はたくさんいるけれど、
自分はそんなふうになっていないといいなあ、とおもうのだった。
 
 
  北のただ曇日の木の揺れにさへ咎めるこゑか朝を眠らず
                 漕戸 もり
 
 
ミサイル。
なにに怯えているのだろう。
あなたもわたしも命なのに。