コンビニスイーツをリピート買いするなんていうことは

滅多にないのだけど、これは珍しくリピ買いである。

こんなハイレベルの菓子がコンビニで買えてしまうのだから

老舗の菓子屋の苦労とは如何ばかりかとおもう。

ここまでくると、無添加だとか天然素材とかひとつひとつ手作りだとか、

もう味や価格ではないところで勝負するしかないのだが、

その素材云々ですら、コンビニエンスストアは

あの手この手の画策を企てて迫りくる。

もしかしてまちがっているのかもしれないけれど、

これをあてにいいちこのロックをいただくのは至福だ。

嘘だとおもうなら一度試してみて欲しい。

適度な塩味と小豆。麦焼酎のコクとほどよい甘さがなんとも合う。

けれどなぜだか老舗の菓子屋を裏切っているような気がしてならない。

なにか悪いほうへ加担しているのだろうか、と。

 

このところ数字と格闘している(もうすこしつづく)からか

あたまのなかで蟻がうじゃうじゃうごめいているような

気持ち悪さがある。

パソコンの機能を使いこなせていないので、

恐らくふつうのひとがさくさくできることを何時間も掛けて

それでいて結局できませんでした、ということばかりだ。

目的地へと歩きながら、

ポケットの小銭をぽろぽろこぼしてゆくせいで

たどり着いたのにすっからかんなことに腹を立て、

時間をかえせと地団駄を踏んでいる。

滑稽なことだ。

過程がたいせつ、と物知り顔でいうひとがいるけれど

おなじ<過程>でも、必要なのとそうでないのとがある。

だってそうでしょうよ。

もう三月。

なにを成したというのだろう。

塩大福を食って。

焼酎を煽って。

蟻のようなものが耳からそのうち溢れてきそうである。

 

 

  ひとつずつ包まれてゐるチョコレートつつみかくさず手に二月尽

                 漕戸 もり