バレンタインデー。
ひとり親方の性か(変わりがきかない職業です)、
この時期デパートに近づかないようにしているので
SNSでの情報でしかないのだけど、どうも近年のバレンタインデーが
スイーツ好きのひとたちのおまつりにすり替わっているようにかんじるのは
わたしだけであろうか。
イメージとして、鉄道やプロレスがたまたまチョコレートであって
鉄女やプ女子のような存在の、スイーツ男子もちゃんとまざっている会場の熱気は
映えるに特化したビジュアル系、YouTubeで絶賛されやすい美味い系、
コスパ重視のお値打ち系、或いはその逆でマグロを競り落とす勢いの高価買取系、
等それぞれの一角に吹き溜まる。
優秀なチョコレート、という選別が難しいのは、
それらをバランスよくそろえているとかえって
<おもしろくない>と一蹴されてしまうことだ。
どの角度からみても平均的に優れているのだけど、歓声があがらないというのは
イベントの決定的な<傷>となる。
もしあなたがチョコレートをいただいて、いつも召し上がっているチョコレートよりも
見栄えがして、味もよく、お値段のわりに大きいまたは
たったひとつなのになんだかえらく高そうだ、と総合的に◎をつけたら
あなたは贈り主にとって、その手のひとなんだろう。
それがあなたに安堵感を与えてくれる場合もあれば、失望感にうちひしがれることも
あるだろう。けれど、たいへんわかりやすいひとつの情報として
バレンタインデーほど有効なイベントはないので大いに活用すべきである。
その手のひとではない場合は、その逆をかんがえればいい。
バランスをみたときに、すべての点を外枠につないでみると
とうてい円(サークル)には程遠いいびつなかたちが立ち上がるのなら
意味はさておき、幸運か不運かをよく見極める材料にはなる。
金融関係の友人と話していると、わたしが知識が浅い(事務経験のないFP二級保持者)
せいもあって、ポートフォリオでバランスのいい金融商品ばかり褒めるので
「つまらん奴だ」と言われてしまう。
こんなにバランス感覚を備えている商品を選んでいるのに、
つまらん奴と言われつづけて一体全体バランスとはなんだ?と、
甘い甘いバレンタインデーに、改めて哲学的なことをかんがえるのだった。
写真は家人がいただいてきたチョコレート。
はてこのチョコレートのポートフォリオはどうなっているんだろう、と
わたしがいただいたわけではないので、面倒なことをかんがえなくて済むのがいい。
ただただ美味ければいいのである。
何度目の恋か湯煎かヴァレンティヌス忌 漕戸 もり
