それにしても、どこもかしこも年寄りばかりなので
じぶんが年寄りに傾いているということを
痛烈にかんじるお正月。
若者はどこにいるのだろう。
ウインタースポーツをする極寒のゲレンデか。
サーフィンをする冬海や登っては降りる冬山の途中だろうか。
夜から朝までならかえってお値打ちなカラオケボックスにでも
潜伏しているのか。
もしも受験生であるのならそもそも正月は外へ出てこない。
どこだ?
きみたちはどこにいるのか。
冬の年寄りは、10に9の割合でダウンジャケットを着ている。
携帯電話を布の袋に入れていたりする。
明らかに高価かその逆かなのだけれど、
どちらにせよ着脱が簡単そうな靴を履いている。
嘘だとおもうなら確かめて欲しい。
特にお正月は、神社や大型商業施設、高速のパーキングエリアや
ファミレス、カフェなどで見られる。
そして、そこに集まる年寄りのだれもが
「どこもかしこも年寄りばかり」と嘆いているから
きっとすぐにわかる。
高速道路のトイレの素晴らしさは前にも述べたが、
ついに<杖ホルダー>なるものが、女子トイレ全てに備え付けられていたのを見た。
ここで注意しなければならないのは、
サイズが合わない場合は使用しないでください。
という但し書きである。
あまり知られていない杖の標準的なサイズというものを、
NEXCOさんは膨大なデータからはじき出した(に違いない)。
満を持して全トイレに備えた<杖ホルダー>は、
伸び縮み不可の樹脂でできており、
これより、すくなくとも細くあることを杖側に求めている。
本来ならサイズが合わない場合などあってはいけない。
なにしろどこもかしこも年寄りなのだ。
なにが言いたいかというと、
杖をついてトイレに入るひとの、少しでも助けになりたいというおもいより、
<杖ホルダー>つけちゃったもんね、すごいでしょう僕(イメージ)、という
自己顕示欲のほうが勝っているような気がするのだ。
角がたくさんあるトイレなのだから、ホルダーなんかなくたって
どこへでも立てかけられてなんとかなるっしょ杖くらい、という思惑が透けている。
でも、上記のような但し書きもそのうちなくなるのだろう。
だってほんとうに、申し訳ないほど年寄りがふえているのだから。
そうは言っても、
日本のトイレは今やNEXCOが牽引しているといっていい。
なにしろ<杖ホルダー>だ。
NEXCOのさらなる進化を見守っていこうじゃないか。
松の内ホールトマトの使ひ道 漕戸 もり
間もなく松の外。
しっかりしなければ。
