最近甘いものをたべていない。
嫌いではないけれど、以前のように
いつかミスドのドーナツを全部制覇とか、
ホールケーキをひとりでたべる、という願望は
いつのまにやらなくなってしまった。
たぶん生命力が落ちているのだとおもう。
淋しいけれど。
今、甘いものといえば専ら果物ということになるのだが、
こちらは毎日欠かさない。
もし所帯を持っていなければ、
果物とナッツと酒で数日過ごせるわたしだ。
果物の、人間には絶対つくりだせない、
控えめだけれどやさしい甘さは、
押しつけがましくなくて心地よい。
実家に行けば、必ず食卓のうえにころがっていたり、
器にかんじよく乗っているから、逆に無いと不安になるものだ。
 
その果物のお値段が高止まりしている。
平気で林檎ひとつ200円。グレープフルーツも150円前後。
果物か野菜か、厳密にはどちらかわからないけれど
大好きなトマトも、ミニトマトの大パックが500円ほどする。
天候による不作のせい、という声も聞くし、戦争や円安の影響で、
肥料からして高価になっているのも薄々気づいている。
それまでは、一日にふたつくらいたべていたのをひとつにしたり、
やがて半分ずつにしたりと減らしつつ、
なんとかじぶんを誤魔化している毎日。
誤魔化しているというと曖昧だけれど、
自分を自分で騙すのはみじめなものだ。
 
先日、印刷物をお願いしていた印章店に行く機会があった。
その道程に100円ローソンがある。
100円ローソンというと、全体が1人暮らしの御用達のような、
それでいて、案外スーパーに行けば50円くらいで売っている品も
100円で置いてあるから、寄ることは殆どないのだが、
100ロー(100円ローソンの略です)の店先に
果物や野菜が山積みになっていた。
元々が100円均一なので、特価もなにもないはずなのに

特価、という派手なポップがひときわ目を引くディスプレイに

ついつい入ってみた。
その戦利品が写真のとおりである。
林檎1個100円。グレープフルーツ3個で220円。
林檎小さ目4個入330円。バナナ4本房110円。
(すべて+消費税)
フィリピン産のバナナと南アフリカ産のグレープフルーツに
国産の林檎。
上等でしょう。
暫くはこれで大丈夫。
とりあえず、寄ってみましょう。
とりあえず、行ってみましょう。
とりあえず。
受け入れてみましょう、と
そういうことなんです。
 
 
    八頭好きすぎてこうなりまして  漕戸 もり