午後7時までにいくと飲みものが半額という寿司屋へ行った。
となると、わんさかいただくのが左党の常である。
ところが午後6時ごろ、お店はすでにほどよくにぎわっていて、
寿司屋にホールと言うのがふさわしいかどうか謎だけど、
ホールを仕切るアルバイトリーダーらしき男子くんが、
汗だくでオーダー品をお客の席に運んでいた。
ちょうど10人ほどの団体さんもいたので、そのかたたちは
恐らく飲み放題の二時間的な宴席だったとおもわれる。
だとしても、だ。
飲みもののオーダーは止むことはない。
写真にも映り込んでいるが、定員さんをボタンで呼ぶタイプのお店なので、
店に鳴り響くボタン音が(そこはお店も考えているのか、
そんなに耳障りにならない程度の音量)聞こえてくる。
気の毒だとおもってしまった。
そろそろこのブログの常連のみなさまにはおわかりのように、
すこしお酒をいただいてしまうと、話しかけたくなってしまう性質なので
リーダー(勝手にそう呼ばせてもらう)に
「ごめんなさいね、お忙しいところ」などと、
オーダーをするときも、空いたグラスをさげてもらうときも
いちいちわたしが言うので、一緒に行った家人は、
そんなへりくだらなくとも、とあざ笑う。
リーダーの汗がきらきらと輝いて、
それがたとえビールのなかにこぼれ落ちようと、許そうとまでおもったのだった。
酔う、というのはめんどくさい状態になることをいうが、
このように寛容になることもあり、
だからまあほどほどに許されているのだろう。
 
来週はたいせつな仕事がいくつかあって、そのうえ撮影などもあるので、
体重を減らそうとおもっていたのだけれど、どうも無理っぽい。
来週は、ということは今週はその準備でストレスフルということである。
これはもういい加減に酔っぱらうしかないのではないか。
頭が悪いというのは、こんなときとてつもなく哀しい。
 
アルバイトリーダーと心で呼びつつ、劇作家の宮沢章夫さんをおもいだしていた。
まだ全然かなしい。
YouTubeで、大竹まことさんが宮沢さんとの懐かしい話をしていたのを聴いて、
どんどんかなしいは深まる。
そういえば宮沢さんは下戸だったのだ。
ごめんなさい、とわたしはまた謝りそうになる。
 
   椋鳥のひとりぼつちは騒がしい   漕戸 もり