短歌研究7月号。
何気なくSNSに流れてくるツイートを見ていたら、短歌研究新人賞の候補作や最終選考通過作佳作等々、当事者様たちの喜びの声がつぎつぎと流れてきた。新人賞作品は既に発表されていたので、すっかり発表号のことを忘れていた。
確認しなければ。
発表号は読むというより確認のため、という要素が強い。
短歌研究新人賞への応募は2015年からだから、今回で8回目だ。
我ながら随分長いあいだ踏ん張っている
成績をふりかえってみよう
とその前に、賞のランクはどうなっているかを記してみる。
①大賞である一作品に贈られ賞金20万円が授与される短歌研究新人賞。(全30首掲載)
②新人賞についで2~3作品に次席。以下賞金はなし。(全30首掲載)
③次席についで2~3作品に候補作(14首掲載)
④候補作品についで18作品前後に最終選考通過作。(10首掲載)
⑤最終選考通過作についで48作品前後に佳作。(5首掲載)
⑥佳作についでその他ほぼすべての投稿作に予選通過作。(2首掲載)
ざっくりとこんなかんじ。
さて、我が成績はといいますと。。。
2015年 ⑥
2016年 ④最終選考
2017年 ⑥
2018年 ⑥
2019年 ⑤佳作
2020年 ⑤佳作
2021年 ⑤佳作
2022年 ⑥
短歌研究に関しては、参加賞的な予選通過でも名前が掲載されてしまうので
いちばんつらかったのは、最終選考で残った2016年の翌年の予選通過だった。
文字にしてしまうと一瞬だが、この落ち込みはその次の2018年にまで及ぶ。
そういうわけで2019年からは別名義での投稿をはじめた。なんとなく、だめになってゆく気もちをリフレッシュしたかっただけで、詠むスタイルはかえたつもりはないけれど、この年から昨年まで永遠のような佳作がつづく。そして、今年。
はぁああ
降りだしに戻ったというわけだ。
今回の短歌研究に、新人賞の過去の受賞者22人の「強力アンソロジー」という特集があった。
新人賞を受賞したという22人の歌人が20首を詠む。
なんておそろしい特集なのだろう
当然読み手は、受賞作の同等もしくは進化した歌を期待して読む。
もしこの20首がこの雑誌のこの特集になかったらどんなによかっただろう、とおもう連作をみつけてしまうのは心から悲しい。目指している賞の受賞者のその後作品は、いつもどんなことがあっても輝いてくれていないと困るのだ
そんな中で、石井僚一さんの連作は秀逸だった
一首一首というより、20首を読んでやっと一つの心情が立ち上がってくる。
形式はちがうけれどどこか長歌を読んでいるみたいに、いやそんな格調高くなく、パラパラ漫画を捲っているかんじにちかい。これは短歌というより詩なのだろうか。
まあそんなことどうでもいい。どんなかたちであれ、そしてどんな賞であれ、たいせつなのは「その後」なのだから。
このおそろしい思い。人ごとのように言っているが、戒めでもある。
中日歌壇最優秀賞を頂いてから三年。
わたし自身泥水を掻くように情けない日々をもがいている。
いつもどんなことがあっても輝いて、とは自分自身へのエールだ。
生きていればいつか誰かが認めてくれる、なんて。そんなに甘くないでしょう。ばか。
石井僚一「あなたがそこに生きていることの雨」短歌研究7月号より
まったく仰せのとおりでございます
歯並びを知る間柄メロン食む
漕戸 もり
