しおじのし -34ページ目

   しおじのし

  ー裏路地の one dropー

仮想の遊び方を知らない僕は
来年こそ明るいと思っている。
テレビ番組を追いかける僕は
来年こそ幸せをと思っている。

シャトルを相手のアナに落とすように
今から寝ると嘘ついたり
こんな夜も体裁を何とかする。
ーアキレタアキレタ。

君と一緒のイルミネーション
これが正しいと思っている。
知らない儀式を今夜。
毎年しなくちゃ。と思っている。

だけどオレはどうだ。
今夜もまた、
体裁を何とかしている。
無駄に距離だけ歩いている。
携帯の電池が切れそうだから
最後に君にメールした。
喋ってる途中で切れるのは
今の僕らには
避けた方がいい別れ方だろう。

明日は月が欠ける夜だから
今のうちに全部伝えるよ。震える指は
悴むだけじゃないからね。
また…
あなたほど愛した人はいなかった。
あなたほど憎んだ人も…
今さら 何もはじまらない
駅のホームで思い出すよな、
あの頃の二人。

ゆらりゆられた想い。

例えるなら
愛は二人で船に乗ったようなもの
一生懸命漕いでいても
舵をとり忘れてはいけない。

僕は途中の港で降りてしまった。
もう別の船に、
帆を張ってみたり
漕ぐのを二人で止めればよかった…
この朝日を仰いでから
またこぎ出せばよかった。