しおじのし -25ページ目

   しおじのし

  ー裏路地の one dropー

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君を連れてきた黄色い砂の風。
渇いた土をすくいあげ
互いの過去ばかりぶつけ合ってる。
そんなに湿った過去じゃない
手を払えば
想い出含めて粉々に舞う。

いつかの夜には
また訪れる黄色い砂の街。
僕も君たちも
サッシをしっかり閉めて待つのだろう。
風よ。
ほとぼりを優しく伝えてあげてよ。
まどろっこしいマスクをしないで
また会うかのその日に…
風よ。風よ。
ラーメン屋の券売機の長蛇に君は並ぶ。
優しさは大盛にもできるのだろう。
封切り一番乗りで純愛映画を見に行った。
左右の座席は空席だったそうだ。

限定ランチは職場の人と食べ
閉店間際の割引の惣菜とビール。
マーケットのレジで僕と会話し
ー私は簡単にオチナイ女。
僕の5回目の誘いを断わって…
またお待ちしてます。と僕は見送る。

チャンスには順番があるとか聴いたが
その券売機には、アタリは無いだろう。
人より先にドアノブを握っても
また昨日と同じ、
やっぱり鍵は開いてないのさ。
次は私に来る。
次は私に来ると朝から
僕らは並ぶのが好きな凡人なんだ。
また今日も
実体のない不安感に汗をかく。
襲われる自分勝手な孤独。
スーパーマーケットで鰯の缶詰めを買っている。
そんな夢さえ
明日の孤独に違いないと。

何故なんだ!
不安さえあれば私は歩ける。
不安さえあれば私は前に行く。
…あぁ。
すべてそれは薄い薫り!!
…あぁ。
それはベッドの4つの足下から
静かに布団の中に忍び寄る。

私も受け入れたまま
明日の朝まで温めようとする。
朝には儚く崩れ去る夢のような孤独。
襲われる自分勝手な孤独。