しおじのし -21ページ目

   しおじのし

  ー裏路地の one dropー

君の前で
強がってしゃべってばかりいた
あの頃の僕は
やっぱり強がりだったってこと

君の前で
世界平和ばかり語っていた
あの頃の僕は
やっぱり平和なんて知らなかったこと

今頃わかったと伝えても
帰ってこないんだろ。
そんなことも全部含めて
みんなわかっちゃった。
あとは、何が足りないんだろ。
冬の季節がくるのを
怖れている訳ではない。
やるときが来る前に
やらなければならないだけだろ。
優しいふりした電車の暖房は
今日は少し涼しげだし
むしろ
北から働きに来た君たちが
おみやげに連れて来ただけ。
怖れている訳ではないのさ。
囲いの中にいることが
上を目指すことになるのなら
ーもうイヤなんだろ?
迂回する君の無駄話。
俺の直線的な結果論。
酔ってドアを叩く俺に
黙って戸を開ける君に
旨いこと明日のことなんて

だけど素直じゃない。
素直じゃないことをわかってる。

それは、今日優先にしたいんじゃない。
もう少し先に…
最初から涙する感動のドラマ…
もう少し先に…
止んだりする梅雨の夜ように…
もう少し先に…
右折信号を待つ長い交差点

いつしか回帰るはずさ。
未来を信じていた
君と俺のタイトルロール
それからの予告。
静かに進む、吸い込んだ秒針。
誰でもないから今日は帰ろう。

それより先に…
ふたりは前に歩いてみようよ。
歩いてみよう。