遠呼 |    しおじのし

   しおじのし

  ー裏路地の one dropー

静か過ぎる朝に自分の耳を疑う。

遥か遠くで汽笛が一声を揚げた。
淀んでいるわけではなく、
晴れ渡るでもない。
港に近いこの部屋では
小さな丸い窓から見えるが
すべて すべてなのです。



深き透明な碧水に自分の目を疑う。

林の奥から子供を迎えにきた。
私は手を貸すでもなく
手をふるわけでもない。
財布に帰りのバス代が
今日も少し足りない人生が
すべて すべてなのです。