されど天然水。 | 独り言が多い珈琲焙煎士のダイヤリー

独り言が多い珈琲焙煎士のダイヤリー

流行りの珈琲に左右されない味を貫く珈琲焙煎士

僕はただひたすらに「おいしい」を届けたいだけ。
自分を磨き続け、澄んだ世界で創る最高の一杯を。

今日お客さんについ喋ったことだし

 

いずれ何かしら書くだろうから出張前だし書こう。

 

 

だいたいイベント出店の場合、水の確保が難しい場合は

 

自店から浄水を持っていくパターン・水道水を持って行くパターン

 

あるいは所謂「天然水」を持って行くパターンがある。

 

衛生的に見ても明らかに使い捨てのペットボトルは都合がいい。

 

 

その天然水という枠の中で自分が一番多用しているのが

 

 

いわゆる「サントリーの天然水」。これがもっとも無難だ。おいしい。

 

普通に「外れロット」が限りなく少ない。水がそこそこに柔らかい。

 

 

あと地味にLOHACOで売ってるLOHACOウォーターも味は悪くないので

 

予備用として持参することが多い。(メインで使うときも時々ある。)

 

 

で、イベント直前で 豆の準備もできた状態にまでなって最後に必ず

 

当日に出す環境(使用する水・ミルの挽き目・挽き粉使用量・抽出道具・淹れ方)の

 

シミュレーションをおこなう。なるべく朝から絶食状態で、具合が悪くなるまで笑。

 

今日も14時台まではずっと淹れては飲み淹れては飲み。

 

 

ちょっと今日は特別念入りに試飲と淹れ方の試行錯誤を繰り返した。

 

 

というのも今日ふと今回初めてLOHACOで天然水を購入したので

 

いつものやつだと思い込んでしまっていてちゃんと見てなかったのが

 

 

「南アルプス」が採水地だった。(いつもは奥大山の天然水を使っている。)

 

 

これが今日の自分の予定を一気に狂わせた。

 

 

まあ硬度もさほど変わらんからな・・一応・・念のため・・と淹れたら

 

まあまるで違うコーヒーが出てくる。 やってしまったと焦る。

 

 

さすがに安心しきっていた前日、帰りにスーパーに寄って全部買い直すか

 

あるいはこのままで「どうすれば美味しく淹れることができるか」を探るか。

 

結局今回に対しては後者を選択することにした。まあなんとかなるだろうと。

 

 

※とはいえ一応明日の朝行き道で寄れそうな所が見つかれば

 

 買い回りながら現地へ赴こうとは思っているけど。

 

 

ハッキリいって これで味が大きく変わると言ってるのも

 

せいぜい自分という「作ってる側」だから分かることであって

 

お客さんにすれば「この水は合わんな」とはまずならないと思う。

 

 

ほぼ全て、自分のエゴの話。出すものに納得しきるかどうか という。

 

 

とにかく自分としては 水ひとつにせよ 適当なものを使いたくはないし

 

過去に何気なく買ってきたミネラルウォーターをイベントで使用した結果

 

自分的な「大失敗」を感じたことも多々ある。

 

「この水はもう二度と使わないリスト」も当然ある。

 

 

でも謎なのが、案外硬度が全てでもないということ。

 

同じ水なのにある日はおいしい、ある日はイマイチ、も多々あった。

 

 

だったら水道の水の方がよほど安定してる・・? だろうか?

 

 

ド田舎の山奥の簡易浄水場だけ通ってきたような水は正直「くそほど美味い」

 

なんならその辺の山の井戸水なんかのとろーっとした軟水もそうで。

 

 

それはもう重々承知している。でもそれがいつも手に入るわけでもない。

 

都市部の水も最近はおいしいものが増えていることはわかっているけど

 

やっぱり自分の舌からすれば「てんで違うもの」だと感じるから使いたくない。

 

 

生駒市はそういう意味では本当に恵まれている方だと思う。

 

一部井戸水が混ざっている水道として割と有名だが

 

やはり他地方の市街地に流れる水道よりは美味しいと思っている。

 

だからウチの店でも特に不満は感じていないし

 

トレビーノだけ通したもので提供している。それで十分だから。

 

 

とはいえやはり明日のことを考えた時は

 

既にあるものでまずなんとかしてみよう!と今日は判断したので

 

最悪明日の朝必要量の奥大山の天然水が手に入らずとも問題なく

 

南アルプスの天然水でも及第点をちゃんとクリアできるコーヒーが出せるよう

 

あらゆる淹れ方と挽き目と量をシミュレーションし続けた。

 

 

(お湯の温度も当然関係はするがイベント時は基本的に温度調整する暇はないから

 

 温度にあまり左右されない・動線や操作を最低限にする方法で、もっとも

 

 安定したコーヒーが出せるやりかた に集中して当日の抽出レシピを考える。)

 

 

なんか大変なことをいやいややっているように聞こえるかもしれないが

 

正直、こういう困難も、これはこれで、楽しい。面白い。(笑)

 

 

「ちきしょー、じゃあコイツをどうにかしてうまいことアレしたろやないかー」

 

てな具合に今日はずっとコーヒーを淹れ続けた。

 

結果、ドリップバッグ作る分が半分以上試飲で消えるハメになったが。(笑)

 

まあいい。明日、目の前で飲んで頂く方のことが最優先。

 

まあ結果的には一応の「これでいこう」までは辿り着いた。

 

 

こういう作業を水をたとえ同じものを買ったとしても

 

豆が変われば淹れ方も出方も色んな条件が変わってくるので

 

結局毎イベントごとに必ずおかしな量のコーヒーを淹れて飲むようにしている。

 

ここを適当に済ませていてはプロたるやが成り立たない。

 

「ちゃんとする」 とはこういう見えない仕事の事を言うとも思っている。

 

見えている所での「ちゃんとする」は当たり前のことだからだ。

 

 

おいしいコーヒー じゃない部分の価値をいつも自分が重要視するのと同じで

 

仕事の「仕込み」とはどこまでを指すのか、どの範囲を「仕事」とするのかで

 

出来上がってくるもの・提供させてもらうものの質が必ず上下動して当然で。

 

 

自分が今こうしている間にもイベント会場で運営スタッフさんたちが

 

汗かきながらあらゆる準備をしてくださっているかもしれない。

 

また、水がどうがこうだとは言うておきながらも

 

この水を工場で詰めて送って下さってる方々のことも忘れちゃいけない。

 

あらゆる努力に当日自分が仕事でいいコーヒーを出して「報いる」ことで

 

その仕事ひとつが一旦の完結できたと言える状態になれるわけで。

 

 

合わない水もあるけど その水のせいにしちゃいけないと思うし

 

じゃあそれに合わせてうまくアジャストできなかった自分が未熟で

 

そこを どうにかできる自分 にいつかなれるように頑張るべきだ。

 

 

ほら、まだ自分の伸びしろ、見つかってしまった。見つけてしまった。

 

 

今日は本当に悩まされる1日だった。

 

でもこれがまた自分を成長させる糧になる。

 

ずーっと、こういうことを繰り返しながらの今までだったし

 

これからもそうなんだろう。 たかが水、されど水だ。

 

 

 

まあ分かっている。この水ひとつ あるいはミルのダイヤルひとつ

 

使う豆のg数が1g違うぐらいでそうそうネガな要素は起こりえない。

 

なんなら自分以外の誰も美味しくないとは思わないものが出せる自信もある。

 

でも、でも、そこが気になっちゃうんだから、仕方ないじゃん。(笑)

 

 

ここを適当に捉えてるプロで在りたくないだけ。ホントそういう自分のエゴ。(笑)

 

 

 

 

 

さて、明日は出張ですのでイレブンはお休み。

 

また土曜日にお店でお待ちしております。

 

 

ねこはまだ軟便気味のようですが

 

徐々に快方傾向にはあるようです。

 

投薬はもうしばらく続けた方がいいかもな~🐱

 

土曜日薬だけもらいにいってくるか・・。