朝めし あるべ@三崎 | 酒と散歩の日々                                               

 三崎漁港にほど近い裏路地にこの店は佇んでいた。その存在を知って、ずっときたいとは思っていた。ただ、コロナ禍の影響だったりなかなかタイミングが合わずに、ようやくここにやってきた。

 

 

 店の名は、「朝めし あるべ」。たいへん古い店のようにもみえるが、店の歴史はそれほどでもないらしい。いわゆるリノベーションでこの地に根をおろしたらしい。

 TVで取り上げられて、とんでもない人が押し寄せた(らしい)。

 その騒ぎも収まって、三崎の朝は静かだった。

 

 

 その名の通り、「朝めし」の店である。朝10時で終わり。品書きの種類も少ない。しかしながら、当たり前のものを当たり前に美味しく出そうという気持ちが店内にあふれていた。

 先客も後からきた客も顔なじみさんのようだ。気さくに店主であるお姉さんと話をしている。構えて飯を喰うところじゃないんだ。朝めしだし。

 

 「カジキのテールのひもの定食(小さめ)」をお願いする。ものすごく迷ったのは、「まぐろのほほのひもの」それから「長芋とろろ」「サバの干物」も「ベーコンエッグ」も・・・頭の中がグルグルするほど迷ったあげくの「カジキ」。楽しみだ。何かあのドラマの主人公になってしまったような錯覚を覚える。

 

 

 出来上がるまで、店内を観察。目をむける度に新たな発見があるこの雑然とした壁の装飾。このあたりを描いた絵葉書 いいなぁ、アジの干物の形をしたストラップ(だろうか) いいなぁ。

 

 

 「カジキのテールのひもの定食(小さめ)」ができてきた。温かいものは温かく、味は全体に優しめ。

 

 

 品書きにはみりん干しと書いてあった。でもしょっぱくない。ほど良い塩加減。

 

 

 
 こちらは、やはり品書きに説明のあった「日替わりの地元旬野菜付け合わせ」。ニンジンはシリシリっぽい感じ、真ん中の干し大根の煮物、そして紫芋のサラダ。こっちもどれも優しい。
 
 ご飯はもりもりと頬張っちゃう方だが、この時ばかりはそれぞれのおかずを味わうようにして少しずつ口に運んだ。そして、ゆっくりと長く咀嚼。
つい、そんな行動を起こさせてしまうそんな朝めし。
 美味いなぁ。温泉とかある民宿でこんな朝めしが出されたらたぶん常連になってしまうだろう。
 いや、何よりこの店の常連になりたい。そんな素敵な店である。