『新怪魚』№156 | 喫茶店の書斎から

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コーヒーカップの耳

三田市の詩人今猿人さんからお贈りいただきました。

和歌山市から出ている詩の同人誌「新怪魚」№156です。

10人の方が12篇の詩を載せておられます。

そのうちのお二人のページをご紹介します。

 

これは嶋惠子さんの「この夏の母」。

97歳のお母さんの証言を記録したもの。貴重な証言です。

手つきが鮮やかな詩ではありませんが、登場する人名が歴史の事実を語ります。

欲を言えば、もう少し実感ある言葉を引き出してほしかったですが。

 

これは今猿人さんのページ。

「喪失」と「酔生夢死」の2篇。

「喪失」は、日常の何でもないことを叙しているように見せかけながら、実は微妙な心の中の動きを、易しい言葉で表現して上手いもの。

「酔生夢死」は、ヴェルレーヌの詩から引用された「あなたの一番幸せな時はいつでしたか」に胸を衝かれる思いがしました。わたしのような高齢者には特に刺さる言葉かも。

 

今さん、ありがとうございました。

 

 

今村さんの本。『完本・コーヒーカップの耳』面白うてやがて哀しき喫茶店。

 『触媒のうた』楽しい文学史秘話が満載。