ある詩の雑誌を読んでいたら、こんな言葉が載っていた。
ある詩の一部である。
「自身に激を 飛ばしただけの」と。
この「激」だが、これに「飛ばす」と続けば正しくは「檄」でなければならない。
しかしその場合、決して自分に飛ばすものではない。
人に(多くは意見を同じくする者に)決起を促す文書のこと。「檄文」などと使う。
スポーツ新聞がよく使っていた。「星野監督が檄を飛ばした」というように。多分記者は「激しく励ます」という意味で使ったのだろう。でもこれは大間違い。
さすがに最近は「檄」を使わずに「ゲキ」とカタカナにしているが、やはり誤用といっていいだろう。
さて、この詩の場合だが、作者は分っていてこう書いたのだろうか。だから「檄」ではなく励ます意味で「激」という字を使ったのだろうか。それならスポーツ新聞に習ったことになるが。
詩の前後を読んで考えて見たが、よくわからない。作者に聞くほかないか。
