『風をつかまえて』読了。 | 喫茶店の書斎から

喫茶店の書斎から

コーヒーカップの耳

『風をつかまえて』(高嶋哲夫著・文春文庫・2010年度読書感想文コンクール高校生部門課題図書)読了。

いい本だった。
いい本は終わりに近づくと、「まだ終わらんとって」という気持ちになる。
残りページの量で、もうすぐ終わりというのが分かってしまいますからね。
それに比して面白くないのを読んでいると、早く終わってほしいと思います。
途中で投げ出したくはないのでよほどでないかぎり最後まで読みますが、早く読み終えて、次の本を読みたいと。
この『風をつかまえて』は、もっと読み続けていたい本でした。
できれば青春時代に読みたかったなあ。著者の高嶋さんはわたしよりお若いのだから無理なことですけどね。

カバー裏の惹句を紹介しておきましょう。

《青空に立つ一本の風車。小学生が空想で描いた絵がなんの特色もない北海道の海沿いの町を揺るがした。観光客をあてこむ町の発注した無謀な風車の計画が、荒れ果てた鉄工所に活気を、親友や肉親の死から行き場を失った青年・優輝の心にも新しい希望を点していく。大災害小説の第一人者による、「ポスト原発」時代の再生小説。》

これはぜひ、kohに読ませたい小説だ。kohはまだ中二だが充分理解できるだろう。